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東京を走る現役ハイヤー運転手のブログ  仕事内容やエピソード、業界の紹介



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3年ぶりに訪れた首都高八重洲線 東京駅八重洲地下出口

 ■教訓
「こちらでございます。 どうぞお足元にお気をつけ下さい」「ありがとう こんな入口があったんですね。」ドアノブを下におろしながら重い鉄扉をあけると、八重洲地下街…

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ハイヤーの事故

 ■教訓
車の仕事をしていると事故とはいつも背中合わせであることを感じます。昨日もお台場で、いつもなら車の流れる二車線道路が何故か詰まっているのでどうしてだろうと見てい…

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 ■教訓
体が資本2015年は私にとって実に短かい一年でした。仕事以外のことで、何かと気を遣うことが多かったせいでしょう。自分が年を重なるということは、私の親も、そして子供…

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お客様は感じている

 ■教訓
ゴルフ仕事で千葉方面に出かけた時のことです時折ハイヤーを利用される方で私も何度かお供をして、顔なじみですそのせいか、一般のお客様より親しげに話かけてくるそうい…

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首都高八重洲線 八重洲出口に行ってみた(2)

 ■教訓
「どうぞこちらへ お荷物はお預かり致します。」羽田空港第1ターミナル ハイヤー乗り場12時5分前 車に連絡が入り指定された番号のバス案内ポールのある場所に車をつけ…

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3年ぶりに訪れた首都高八重洲線 東京駅八重洲地下出口

「こちらでございます。
 どうぞお足元にお気をつけ下さい」

「ありがとう
 こんな入口があったんですね。」

ドアノブを下におろしながら重い鉄扉をあけると、八重洲地下街に出る階段が目の前に現れました。

会議が長引いたために、予定していた新幹線に乗れるかどうか終始心配そうな顔立ちだったお客様の顔に、ほっと安心した笑みがあらわれたのを見届け、私はハザードをたいたままの車に戻りました。

yaesu.jpg

久しぶりに訪れた場所

時計をみると出発時間5分前
車内の携帯が鳴ったので
 お客さが来られるかな?
そう思ったら
秘書さんがちょっと不安げな声色で
「会議が押していて、○○様は少々遅れての出発になります
 5時半の新幹線に乗るにはギリギリ何時に出れば良いでしょうか?」
私はもう一度自分の時計に目を落とし
 「そうですね。遅くても5時15分には出発しないと厳しいですね」
 「承知しました。ありがとうございます」
電話そこで切られました。

私はこの時点で、これは八重洲地下コースだな…
と気持ちはほぼ固まっていました。

5時10分を回ろうとするところで、秘書に案内されて、小走りに車に乗り込んで来られたお客様は、後部座席に腰をおろすなり、若干身を乗り出すような感じで急いでくれと言わんばかり。

 そんなに焦らなくても大丈夫ですよ

とは口に出しませんでしたが、予想より5分も早く来られたことで私の頭の中には、降車場所の情景が浮かんでいて、
これは余裕で間に合うな・・・とハンドルを右にゆっくりと切りながら車を発進させました。

夕方5時台ならそんなに混雑しないことを経験上知ってましたし
高速に乗ってしまえばこっちのもの

口には出しませんでしたが、思い切り余裕の態度を背中でアピールしてみせたのです。

ところが
お客様は車を発進させても、私の背中に不安げな視線をつきさしてくるので
その痛さに耐えかねて
「念のため、高速を使い、東京駅八重洲の地下にご案内します」

安心していただくために、そう言ったところ、
「はあ」と空返事が返ってきました。

ちょうど第一京浜と外堀通りが交差するところで信号にひっかかり、これが意外に長く待たされたのと、前方中央通りとなる銀座8丁目に向けてタクシーがなだれ込むようにして進入し渋滞している光景が目にはいってきて、
 この車もあの渋滞の中に入ってしまうと、ますます時間的に厳しくなるんじゃないか
そんなお客様の不安が力のない返事にしたようでした。

しかし、私はあえて意地悪く無言のまま、右折して昭和通り方面へ車を向け、新橋から会社線にあがりました。

ちらりと時計をみると5時17分
10分もあれば余裕で電車に乗れる時間です。

よしっ ひと仕事が終わったな

何も変わっていない場所に立って

ここに来たのっていつだったかな
運転席にもどって、以前書いたブログ記事をみると2014年・・・
一瞬自分の目を疑いました。
 ありゃりゃ・・3年も経ってる
思わず声が出ました。
八重洲線は頻繁に利用するものの、お客様を降車させたのは3年ぶりだとは・・・

それにしてはこの場所をみるとロケーションは当時のまま
薄暗く、こんなところ2度と来たくなくなるような雰囲気は変わっていません

普通3年といったら高層ビル一棟は余裕で建つような時間。
地上の東京駅はすっかり様変わり、きれいに整備されてきているのに
ここは人々の意識から完全に忘れ去られた場所になっているんですね

tokyo station.jpg

緊急時の避難場所と同じで、ハイヤーを利用されるお客様に降りていただく場所としては不適格なところです。ただし、こういう場所があるということは、もしもの時の切り札として知っていて損はないことでしょう。

実は、経験豊富なベテランドライバーは何枚も切り札を隠しもっているようです。ところが、これがいざという時にならないと出てこないらしく、聞き出そうにも難しいことがわかりました。結局自分なりに時間と経験を積んでいくしかないようです。

経験こそ真の財産なり

久しぶりに訪れたは八重洲地下出口が、以前と何も変わり映えしなかったこととは対照的に、そこに立つ自分は随分と違っていました。
 無駄に時間を過ごしてはこなかったんだな・・・
この3年の間に積み上げてきた経験に裏打ちされた気持ちの余裕、自信がそれを証明していました。

「 金や名誉は一夜にして失うことがあるが、経験は誰にも奪うことが出来ない
 経験こそ真の財産なり」

先人たちがよく口にするこの言葉が、この日改めて胸深く刻み込まれた・・・

と、ここまで原稿を書き上げたら
後ろから小6になる娘がそっと近寄ってきて、わざわざ声を出して読み始めるじゃないですか

ところどころつっかえながらも
読み終えて私の方を振り返って言った一言は

 パパ どや顔だったでしょ!

だそうです。

そうきましたか・・・

doya.jpg


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ハイヤーの事故

車の仕事をしていると
事故とはいつも背中合わせであることを感じます。

昨日もお台場で、いつもなら車の流れる二車線道路が何故か詰まっているので
どうしてだろうと見ていたら、
前方に警察車両の赤ランプが点灯しているのが視界に入ってきました。

なんだ事故か・・

昼間の2時、明るく見通しの良く
別段事故を起こすような場所ではないのに
どうしたことでしょうか。

jikogazou010.JPG

見ると、
タクシーがBMWの後方に左先端部をぶつける形で
中央車線上に止まっていました。

どうやら車線変更の時に前の車が急ブレーキをかけたのでしょう。
車間距離が詰まったことにより追突した模様でした

事故を起こす原因

事故というのは、一瞬の気のゆるみや、
焦る気持ちから引き起こされること多く
落ち着いて基本をきちんと守ってハンドルを握っていれば、
比較的避けられるものです。

生身の人間なので、事故のリスクを全く無くすことができませんから
ハイタク会社としては、全乗務員に対する注意喚起のために
事故が発生すると、その詳細を写真と図解で営業所内に大きく掲示しています。

我が営業所では損害額までも示され、
事故を起こすとこれだけ会社に損害を与えるのだと、
きつくお咎めするわけです。

時折交流する日本交通の乗務員さんの話では
営業所内の啓示に個人名も出されて、晒し者状態となると言ってました。

私は常々、張り出された事故状況を詳細に見ながら
自らを戒めるようにしています。

自分も気が弛んだらああなるのだ・・・と

実車中の事故

私は過去に一度、実車中に事故を起こした経験があります。

原因は 「焦り」 からでした。

進行方向、目的地に向かう車線とは違うレーンに車が入ったことに気付き
修正しようと慌てたんですね、
そのレーンは車線変更禁止の黄色い線がひかれていたのですが、
このまま進むと時間的に大きなロスが生じることが
目に見えていたこともあって、
そこに「焦り」が生じたのです。

後方をろくに確認せず、ウィンカーを出すのとほぼ同時に、
さっとハンドルを左に切ろうとしたその瞬間でした。

左後方から大型のトラックが
私の左横を追い越して行ったのです。
そのすれ違いざまに
ドンと鈍い音がして車が揺れました。

事故図.png


ああ〜、やってしまった…

体に感じた衝撃が大きかったことから、
車の横っ腹がえぐられているぞ…

すぐに頭の中でその状況を想像し
顔から血の気が引いていくことがわかりました。

表に出て確認してみると

あれ?

ドア部分にはかすり傷一つ見当たらず
ぶつかったのはサイドミラーで、
ミラーを覆っているプラスチックカバーが破損しているだけでした。

私は思わずほっと胸を撫で下ろしました。

同時に過ぎ去っていった大型トラックが
100メートル前方でハザードをたいて路肩に寄せて停止している姿が目に飛び込んできました。

そのまま行ってしまわなかったんだ・・・。

「申し訳ございません。
この後のご予定はいかがでしょうか?」

後部座席にいたお客様に状況を伝え、平謝り

事故対応はマニュアルに沿って処理

研修期間に、もし事故になったらどのように対応すべきかを
徹底的に教育されます。

それでも、いざ起こしてしまったら
頭は真っ白になって、まず何から手をつけるべきかわからなくなります。

とにかく気を落ち着かせて
冷静に頭を使うようにし、

実車中ならば
乗車しているお客様に簡単に状況を報告し
事故対応に時間を要するため、
お客様の予定したスケジュールに支障が生じるか否かを確認して
それに応じた対応を迅速にすべきでしょう。

営業所に連絡し、代車を要請するとか、
タクシーを呼んで対応するとかです。

私の時は、お客様から要請を受けて、空いた時間を埋め合わせるために
予定外の行き先に向かう途中だったので
お客様に支障をきたすということがなかったのは不幸中の幸いでした。

とはいっても、事故対応に慣れているはずもなく
私は半ば泡を食った精神状態に・・
お客様の方がどっしりと構えて冷静にしておられました。

本来ならば、乗客や相手方の身の安全や健康状態を確認し、
次に警察に連絡するというのが手順となっています。

この時は、たまたま事故現場から目と鼻の先に交番があって
連絡する前に警察官が異常を察知したのか、すぐに近寄ってきたのには驚きました。

ですから、一挙に気が楽になって、
すぐさま営業所に事故を起こしたことを報告しました。

更に、接触したトラックの運転手も誠実な方だったこと
相手方トラックには損傷個所が見当たらなかったと
警察を挟んだ現場検証もスムーズに処理されたことなど
不幸中の幸いが続きました。

処理終了後も

どのような事故であれ、一旦起こしてしまうと
こちらに非がある場合は、相手に対する謝罪、そして実車中であれば
乗車されたお客様に対する陳謝
そして、車両の損傷個所の修理や保険処理などが待っています。

この一連の事故処理に対し、会社はさすがプロフェッショナル
営業担当者、及び事故処理専門の担当が迅速に処理していきます。
乗務員は相手方との折衝にほとんど関係することなく
全て会社が対応していくので

乗務員のすることといえば、事故報告書を克明に記載し、始末書を作成。
営業所長に提出して
最後は所長より直接訓戒を受け反省することです。

いつまでも一つに事故に関わって業務に支障をきたさないようになっているこの体制に、
はじめは驚いてしまったものです。

乗務員へのペナルティ

事故処理は確かに担当者が乗務員に変わって動いてくれますが
ペナルティは当然ながらあります。

私の会社の場合は給与からの一定額(1万円)の天引き
さらに賞与の査定にも影響します。

損害額に比例してペナルティが大きくなることがないという点で
これが会社に所属する利点の一つであるということでしょう。

だからと言って
平然と構えるというのはどうでしょうか

やはり社内の人間関係を考えると
処理にあたった営業担当者や事故処理担当者には、相手方や顧客対応で
自分に代わって頭を下げていただいことに対する謝意を示すべきですね。

ペナルティといえば
企業に出向し、役員車を担当している乗務員の場合は
事故を起こしてしまった時の乗務員の初動がどうなのか
実車中であれば一部始終を目の前で見せられますから
対応いかんによっては、いわゆる「ダメだし」を食らい、
最悪、担当交代を言われるケースもあります。

また、
3か月以内に再び第一原因の事故(当事者が起こす事故)を引き起こした場合
かなり厳しく詰められますし、3度目になると解雇を言い渡されるケースもあります。
自損事故であっても注意散漫が改善されないともなれば、

あなたはこの仕事に向いていない

という判断を下されてしまうのです。
これは当然のことでしょう。
特に新人研修期間にこういうことがたまに起こります。

もう二度と事故をおこすまい

これは自分に対しての戒めですが
最も注視すべきは
慣れからくる漫然とした運転
これは絶対禁物
事故を呼びます。

適度な緊張感をもつべきですし
空車、実車にかかわらず
落ち着いて、基本に忠実なハンドルさばきを心掛ける
仕事でハンドルを握っていることを忘れないように
そうすることで
事故を最小限度食い止めることができる

そう思っています。

気をつけていても、事故は日常あり得ることですが
できれば極力避けたいもの。

お客様は私の運転を信じて体を預けているということを忘れないように
その信頼に応えるべく
今日も安全運転でまいりましょう。


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進化し続けることが安全

体が資本

2015年は私にとって実に短かい一年でした。

仕事以外のことで、何かと気を遣うことが多かったせいでしょう。

自分が年を重なるということは、私の親も、そして子供たちも
年を重ね、変化していきます。

そして一同みな健康でいて下さると、
感謝の気持ちが自然と湧いてきます。

実は、今年、妹が交通事故にあい、
母は朝おきがけにバランスをくずして転倒して
その際に、床に手をついたことで骨にひびが入り、
さらに足首をねんざするという事態が発生しました。

幸い二人とも大事にはならず
軽微なもので済んだのですけれど、それでもひと月は思うように体が動かず
苦労を強いられていました。

今まで元気だった人たちが突然に体の不調を訴えるというのは
自分にとって衝撃が大きかったです。

普段何もなく健康でいられるということの
有り難さが身に沁みました。

何をするにしても体は資本ですからね。

一家の大黒柱

私は50代中盤になり、以前にも増して親の面倒や、
子供たちの教育のことを考えて生活しなければならない立場になりました。

「一家の大黒柱」という言葉がありましたが、
私もいつの間にか背中にいろいろな荷を背負って立つ
一つの家庭の柱的な存在になっていたのです。

自分にもしものことがあったら
家族は路頭に迷う・・・
最低限、健康には気を付けなければ・・


おっと・・
空車時は特に悩みごとを抱えながらハンドルを握るのは禁物。

リスクは大なり小なりありますが、
押し寄せる不安にイチイチびくびくしても始まりませんよね。

「自分が進化し続けることが、もっとも安全である」

わたしの好きな言葉を思い出しました。


2016年 新しい年をどう過ごすのか
自分を進化させる新たな挑戦が必要だと考えました。

皆様、来年も引き続きどうぞよろしくお願い致します。

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お客様は感じている

ゴルフ仕事で千葉方面に出かけた時のことです

時折ハイヤーを利用される方で
私も何度かお供をして、顔なじみです

そのせいか、一般のお客様より親しげに話かけてくる
そういうタイプの方でした

本社が地方にあって、出張で東京に出てこられるとよく利用されます。

その日のゴルフは会社の取引先が主催するコンペで
女子プロと一緒にプレーするという企画となっていました。

ゴルフは企業人の文化

お客様からたまに聞かれることの一つに
「ゴルフはされないのですか?」
というのがあります。

「ある」と答えが返ってきたらゴルフ談義に花をさかせられるのに。。。
そんな気持ちがあってなのか、
あるいは
私のいでたちが、ゴルフができるほど余裕ある姿にみえたのでしょうか

そうであれば、それはそれで嬉しいのですが
私の場合は、ゴルフのクラブセットは所持しているものの
コースに出た経験は一度もなく
10年以上も前に前職のゴルフ好きの上司に誘われて一度だけゴルフ練習場に連れて行かれたのを最後に、クラブはお蔵入りとなりました。

ですから、はっきり言ってゴルフに対する知識はゼロに近い

 ゴルフができるような身分なら、きっとハンドル握ってないですよ
ネガティブな時は心の中でそうぼやいたり・・・

しかし、たびたび仕事でゴルフ場に来るようになると
日本の企業人たちが仕事、そしてプライべーとで、
いかにゴルフを愛し活発に行っていることがわかります。

会社役員ともなると、
ゴルフも「仕事」の一つになっているようにも感じますね。
これは世の奥様方にはなかなか理解されない「男の世界」

企業内、あるいは取引先との交歓、交流の潤滑油として活用していることは間違いありません。一つの文化です。

course1031.jpg


「もしもし、終わりました。車を回してください」

正面玄関に車をつけると
ビールか何かをひっかけた感じで、若干顔が赤らんでいて
後部座席に乗り込むや

「いやー  きょうは参ったね
 やっぱり基本が大切やな」

いきなりどうしたのかと思ったら
今回女子プロとまわりながら、自分の知らないところで動画撮影されていて
プレー終了後のコンペ表彰の場で
自分のプレーする姿を大画面でみんなの前でさらされるとともに
女子プロから、スイングについて色々と指摘を受けたというのです。

「あんな経験生まれて初めてだね
 あんなぶざまな格好をしてプレーをしていたなんで
 ちょっとショックやった・・・」

と言われるわけです。

「今までどなたかインストラクターについて指導を受けたことが
 なかったのでしょうか?」

そう聞いてみると

「いや一度もない」

「そうなんですか・・・」

テレビなどでプロのプレーを見ていれば
自分のスイングがどれほどできていないのか一目見ればわかります。

golfer1031.jpg

私はハンドルを握りながら
このお客様のへっぴり腰でクラブを振り合わす姿を想像し
思わずにたりと笑みを浮かべてしまいました。

すると
「基本というのは大事なんだなあ
 自己流はやっぱり駄目だね・・」

独り言のようにつぶやかれたと思ったら
「車の運転もやっぱり基本というのがあるんでしょ?」

あれ? 
話の矛先を私の方に向けてきたので
これはもしかして、私の運転に落ち度があったのかと
今度はお客様の出方に探りを入れるようにして、

「はい、ございます
 ハイヤー乗務員として入社して最初の3か月間はみっちりと基本を学びますし、
 教官が同乗して運転技術の指導も受けます。」
そう答えたのです。

「違うんだよね
 なんかね、安心感がね・・・」
話しぶりからして、私の運転に対して指摘しているのではないことはわかりましたが・・

「本社でも車があるんだけど・・・
 今乗っている車とおんなじなんだけどね・・」

どうやら、このお客様は本社専属の運転手に対して
不満を吐露していたのです。

東京出張の際は私の会社と、もう一つ大手のハイヤー会社の車を利用するらしいのですが、
出張に来て車に乗るたびに本社運転手との比較をしてしまう。
東京の運転手は任せられる半面、本社の運転手は一生懸命やっているんだけど、
なにかぎこちない。乗っている人を緊張させるような、お任せモードにならないんだな
やたらと発進時に体にGがかかる・・
運転センスがないのかな・・・

酔った勢いなんでしょうか、本音丸出しの発言でした。

なるほど
それで運転の基本について聞いてきたんだな
お客様の腹のうちがようやくわかりました。

お客様は感じている

色々な車に乗る人は、当然車に乗った瞬間から無意識に快不快を感じますから、そこで運転技術が比較されます。
上場企業の役員ポストに収まる人となれば、一般に高学歴でありますし、
普通の人よりもいろいろな意味で能力が高い。
人を見抜く力も当然長けているわけで、ドライバーの運転技術にとどまらず、
ちょっとしたしぐさや言葉遣いの対応などから、無言の評価をしていることでしょう。

以前私が新人時代にダメ出しをくらった話(「おたく 最低だね…」新人時代の苦い思い出)でも触れましたが、
人は自分の不快感を許容できる基準線を潜在的に持っていて、
その線を越えてしまうとクレームとして不満が露出し表面化されてしまいます。

このお客様は、その運転手に直接言ってやるべきか否か、
乗るたびに考えてしまう・・・
と愚痴をこぼしていましたが、よほど目に余る状況なんでしょう。

ただ、その運転手は誠実な姿勢があるだけに、私から運転の基本についてを聞き出して
何か技術的なアドバイスをしてやろうかと思ったのでしょうか。
このお客様が今日女子プロから基本指導を受けたように・・

aqualine1031.jpg

木更津から東京湾アクアラインに伸びる直線コースを走る頃になると
会話はすっと消えて、後ろから静かな寝息が聞こえてきました。

よーし、このまま自宅到着まで目覚めさせないような運転をやってやろう・・

いつになくアクセルやブレーキワークに神経を使ったせいで。
久しぶりに気疲れしました。

やれやれ

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首都高八重洲線 八重洲出口に行ってみた(2)


「どうぞこちらへ
 お荷物はお預かり致します。」


羽田空港第1ターミナル ハイヤー乗り場
12時5分前 車に連絡が入り
指定された番号のバス案内ポールのある場所に車をつけると
予定通り3人のお客様がそれぞれ小さなカバンを手にもって現れました。

預かった手荷物をトランクに入れ、ドアサービス、
自ら運転席にもどりシートベルトを着用すると

後部座席からも
カチッ カチッ とベルト着用の音が聞こえてきました。

後部座席シートベルト着用が浸透してきているんですね。

「東京駅八重洲口に向かいます」

と一言添えて、発車

車は羽田第一ターミナル到着レーンを直進し
そのまま高速道路に滑り込みました。

highway info.PNG

お迎え直前に調べた高速道路の渋滞情報では大井南から臨海副都心までが真っ赤になっていて、事故渋滞ではないようなのですが、
念のため首都高お客様センター(電話03−6667−5855)に問い合わせてみると

オペレーターは
空港中央から京橋まで40分、1号横羽線を使っても同じだというのです。

以前、レインボーブリッジから1号線の合流地点で渋滞に出くわして
全く動かなくなった経験があったため

一旦湾岸線に入り、大井南料金所を通過した時点でそのまま湾岸道路か
1号横羽線を使うかを決めよう。

都心〜空港間の送迎の仕事は頻繁にあるので
経路に関しては、十分心得ているつもりでいましたから
気持ちに余裕がありました。

事故渋滞にはまる

さて

羽田空港第1ターミナルの場合、ターミナル車寄せからすぐに高速道路へアクセスできて便利ですよね。

haneda1t.jpg

でも、
この写真を見ておわかりのように
上部 矢印の電光掲示板の交通情報の文字が
はっきりと認識できるところまで車を進めると
仮に事故渋滞とわかって経路を変えようと思った時に、
赤いポールが邪魔をして、すぐ右車線のレーンに移動できません。

その先に分岐しているところで、一旦右折して第2ターミナル方面へ向かい迂回して357号線に合流するのです。

haneda1tbunki.jpg

これが第2ターミナルから都心方向へ高速道路でアクセスする場合は
国道357号を少し走りながら入っていくために、高速が混雑していれば
そのまま直進していけばよいのです。

また、環状八号方面に出て、空港西から高速横羽線に乗るという方法もあります。

こんなことは
都内を走るドライバーなら当然知っていることで釈迦に説法になる話

ところで、この日の問題は
お客様をピックアップする直前に渋滞状況を確認したという安心感ゆえに、この高速の入口にあった掲示板の文字が全く目に入らず
そのまま突入してしまったことなんです。

これはプロとしては失格ですよね?

湾岸線に合流してみると、やけに混雑していて車が流れていません。
ゆっくりと左車線に合流したものの

このまま渋滞にはまり続けていては
さっき言ってた40分では到底京橋にはつかないぞ・・・
そんな職業的「勘」が発動しました。

スマホを取り出し
高速道路の渋滞情報をみると
臨海副都心出口付近で事故の表示が出ていました。

まずいな・・・

すぐさま、この渋滞の理由を御客様に告げて
さて、どのような経路で行くべきか
あれこれと考え始めました。

しかしどう考えても結論は
大井南から降りて357号を通り海岸通に行くしかないというもの

これは、とにかく高速をおりなければ・・・

時計は12時15分をさしていました
ハンドルを握る手が汗ばみ始めます

セダンに3名のお客様を乗せているので
車内の温度があがってきているように思え
エアコンの送風を強めました。
自分も熱くなっていたからでしょうか

なかなか車が前に進まないので
御客様同士時計を見ながら
もしも電車に間に合わなかったらどうするか
半ば冗談交じりに話し始めました。

仮に13時8分の新幹線に乗り遅れたとしたら次は何時になるか
そんな話まで飛び出し

どうも話の内容からして
絶対に予定の電車に乗らなければならないというものではないらしかったのですが
だからといって、
遅れてもよいですよ・・・とは言ってきません。

どの車線で走るべきか

非常に微妙な空気が漂う中

一方で私は3車線ある道路のうち、どの車線が一番流れるかを見ながら
はやる気持ちを抑えつつ、アクセルとブレーキを交互に踏みながら
のろのろ運転が続きます。

空港から都心へ向かう場合
最も流れる車線は一番右側の追い越し車線です。
一番左の車線は、空港トンネルをくぐると東海ジャンクションで
横羽線から湾岸線へ入ってくる車と合流するため普段でも流れの悪い車線

事故渋滞の場合はこのセオリーが通用しない場合がありますが、
この時は、東海ジャンクションまで明らかに左車線は詰まって動きませんでした。

左側に目を転じると並走する357号を走る車は
どんどんと我々を追い抜いていきます。

くそ・・・

なにやってるんだ・・

と焦る気持ちを抑えながら
時計をちらちら見ては
その分ハンドルを握る手に力が入って、余計に汗ばんできます。

しかし車は依然のろのろの状態で、お客さまもついに黙ってしまいました。

手元の時計はすでに12時30分を回りました。
あと30分

御客様は私のコメントを待っているようでした
しかしこの時の私は
高速を降りるまで、間に合うかどうかの判断がつかなかったのです。

不思議な余裕あり

ようやく視界に大井南の出口が見えてきました。
通常ならここまで3分位で来てしまうところ
渋滞のせいでなんと30分はかかりましたでしょうか

高速を降りると
357号の流れはなかなか順調でしたが

このまま海岸通を進み、下道で駅までいったら・・・
移動時間を考えると
駅には少なくとも午後1時までには到着しなければならない
これは高速で八重洲までいくか・・・

時計は12時40分を回りました

「芝浦から再度高速にのります!」

そうお伝えしました。。、

海岸通、そして横羽線が共に流れてくれないとアウトです。
しかし、この日はなぜか気持ちに余裕がありました。
「行けるぞ」という気持ちにさせられたのです。

心配だった海岸通りは順調に流れて高速芝浦入口に滑り込め、

横羽線が混んでいませんように・・・。

料金所ゲートをくぐり本線に合流してみると
思った以上に車は流れているじゃないですか!

よし、これならいけるぞ!

ここでようやくはっきりとしたコメントを発表

「お客さま、到着予定は1時になりますが、8分で予定の電車に乗れますでしょうか?」

この明確なコメント待ちわびていたかのように

「大丈夫ですよ」

すかさず助手席のお客様が答えました。

「ありがとうございます」

狭い車内は一瞬にして安心した空気に変わりました。

私はまっすぐ前をむき
できる限りアクセルを踏み込みました


行きがけに八重洲降車出口を確認しておいて本当によかった・・

この気持ちが私に恐ろしいほどの自信をもたらしたのです。

もう絶対に間に合う
いや、間に合わせて見せる
1時ではなく1時5分前到着だ

そんな気持ちが体に充満する感覚

浜崎橋ジャンクションは芝公園方面に行く車が詰まっていましたが、1号線は順調に流れており、
汐留出口方面に向け車を左車線に移し
そのまま会社線へ

ここまで来ると車は一台もありません。

まさに独走態勢となりました

勝ち誇ったマラソンランナーのように
車を八重洲地下にすべり込ませ

あらかじめリハーサルしていた八重洲口車寄せに
ハザードをたきながら到着させました

IMG_2606.JPG

時計は1時5分前


降車した御客様3人は、
いったいどこから出ればいいのかと辺りをきょろきょろと見回しながら
出口を探そうとするので


「こちらです」

と言うなり私は急ぎ小走りで誘導しました。


鉄扉を開けると階段が八重洲地下街にすっと伸びていて
お客様たちはしまらないように扉を抑えている私の前を
急ぎ通過して階段を上っていかれました。

「いってらっしゃいませ
  どうぞお気をつけて」


IMG_2612.JPG

ドライバー冥利に尽きる

まるでその3人の逃亡を助ける映画のワンシーンのような情景でした。

不思議な達成感が私の全身を包みこみ
この時、言い知れない喜びを味わったのです

今日はなんだか仕事にノリがあるぞ・・
 
流れに乗っている時というのは
何もかもが嘘のようにうまくいくんだなあ・・・

ベテランの方は多くの経験から
様々な、「もしもの準備」ができるようになるため
失敗が少なくなるといいますが、

この日、心に囁かれた小さな声を素直に従い準備できたことが功を奏し、
いい仕事ができました。



ありがとうございます


なぜか心の中に感謝の気持ちが満ちてきました。

たかだか羽田から東京駅への送りの仕事で
こんな充実感を味わうなんて・・・


この味をしったら、
この仕事 やめられませんよ きっとね・・

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プロフィール
●年齢:50代
●家族:妻・子供あり
●住まい:東京都内
●職業:ハイヤー乗務員
●E-mail:hireman50@gmail.com
●経歴:東京出身。大学を出た後、
    教育関係の仕事に就く。
    一時独立したが頓挫。
    その後いくつかの業種
   (新聞社、病院検査会社、
    不動産、リフォーム建築)
    を経験。2008年、営業系の
    仕事を希望して再び転職活
    動し、唯一内定をもらった
    ハイヤー会社に再就職し
    現在に至る。
ファン




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